君色〜キミイロ〜
「俺ね,学校卒業したらこのアトリエで働くつもりなんだ。
今,学校の奴等とブランド立ち上げててさ?」
「すごい!橘さんのブランド!?」
「うんっ。まだ叶うかはわかんないけどね。…でも」
「…でも?」
橘さんはアトリエに向けていた目を私に向ける。
そしてふんわりと笑った。
「諦めずに頑張ってれば,誰かが認めてくれると思うんだ。
そう…思わない?」
優しく目を細めて首を傾ける。
そんな些細な仕草にもドキドキしちゃう私。
橘さんは夢に向かってどんどんと突き進んでるんだね。
だから…だから私をこんな素敵な世界に導いてくれるんだ。