君色〜キミイロ〜


美容室からの帰りの車の中で
橘さんに聞いてみた。

「あのぉ〜…」


「なぁに?」

「あの美容室が第二の家っていうのは…」

「ああ!俺がまだ今の美容学校行く前に,絵理の親父さんに世話になったんだ。今は絵理が経営してるけど昔は親父さんがやっててね。」


「そうだったんだ!」


「うん。んで,あの美容室に毎回習いに行っててさ。それで絵理とも仲良くなったわけよ。」


なるほど!親父さん繋がりだったんだ。


「もしや莉緒ちゃん,俺達の関係心配しちゃった?」


「はっ!しっしてません!!!」


「そんな惚れられてるとは照れるなぁ〜。」


ぽりぽりとわざとらしく頭をかく。


「もうっ!違いますから!!」


< 56 / 289 >

この作品をシェア

pagetop