君色〜キミイロ〜
ケラケラと笑う橘さん。
ほんとにこの人は〜っ!!
「あ!そうだ!莉緒ちゃん手出して?」
「へっ?こう…ですか?」
私は橘さんの前に両手を出した。橘さんはというと,ガサガサと鞄の中を探っている。
「あった,あった!はいっ。」
私の掌に置かれたのは
パンダの可愛いフェルト状のマスコット。
「可愛いっ!!」
「よかったぁ〜。さっきの動物園で見つけたんだ。色々あったから迷っちゃったよ。」
「もしかして…それで来るの遅かったんですか?」
「あぁ〜…うん。実はね。」
と恥ずかしそうにはにかむ橘さん。
もう…かっこよすぎるっ!!
「ありがとうございます。嬉しいっ。」
橘さんは私を幸せにしてくれる
魔法使いみたい!!
「大切にしますねっ…て,んん!?」
よぉ〜く見ると
橘さんのポケットからおんなじ
パンダが揺れている。
「もしかして……」
「うんっ!お揃いだよ。モデル修行1日目の思い出にね!!」
二人でお揃いとか
どんだけ可愛いのよ,この人は!