君色〜キミイロ〜

ケラケラと笑う橘さん。
ほんとにこの人は〜っ!!


「あ!そうだ!莉緒ちゃん手出して?」

「へっ?こう…ですか?」


私は橘さんの前に両手を出した。橘さんはというと,ガサガサと鞄の中を探っている。


「あった,あった!はいっ。」


私の掌に置かれたのは
パンダの可愛いフェルト状のマスコット。

「可愛いっ!!」

「よかったぁ〜。さっきの動物園で見つけたんだ。色々あったから迷っちゃったよ。」


「もしかして…それで来るの遅かったんですか?」


「あぁ〜…うん。実はね。」

と恥ずかしそうにはにかむ橘さん。


もう…かっこよすぎるっ!!



「ありがとうございます。嬉しいっ。」


橘さんは私を幸せにしてくれる
魔法使いみたい!!


「大切にしますねっ…て,んん!?」

よぉ〜く見ると
橘さんのポケットからおんなじ
パンダが揺れている。


「もしかして……」

「うんっ!お揃いだよ。モデル修行1日目の思い出にね!!」


二人でお揃いとか

どんだけ可愛いのよ,この人は!



< 57 / 289 >

この作品をシェア

pagetop