君色〜キミイロ〜

｢…で，なんでそんなに泣いてたの…？｣

橘さんは心配そうに私の顔を覗きこんだ。


｢あっ…えと…｣


戸惑いながらも，橘さんにさっきあったことを話した。


時々橘さんは相槌を打ちながら
真剣に聞いてくれた。


｢私…もう…どうすれば良いのかわかんなくて…｣


またポロポロと涙が溢れる。


｢莉緒ちゃん泣き虫だなぁ〜｣


｢泣き虫じゃな…｣


するとそっと手を伸ばし私の顔に触れたかと思うと


顔を近づけ流れる涙をぺろっと舐めた。


｢…っ!?｣


驚きのあまり声がでない。


｢ぶはっ!莉緒ちゃん顔真っ赤!｣



橘さんは目を細めて笑った。