君色〜キミイロ〜
もどかしい距離
「はぁ〜……」
朝から出るのはため息ばっかり。
しかも天気は生憎の雨だし。
なんかモヤモヤする。
そっと手帳から写真を取り出した。
それは…橘さんの部屋にあった
あの女の人との2ショット写真。
結局持ってきてしまったっていうね…。
自分でもやり過ぎたかなって反省はしたよ?
でも……やっぱり気になっちゃったんだもん!!
「…えっ!早速彼氏さん浮気!?」
いきなり背後から降ってくる声。
「ユリ!!びっくりするなぁ…もう。」
「だ〜れ?その綺麗な女の人は!」
「実はさ……」
ユリに事情を説明すると
「なるほどねぇ…そりゃなんかあるわね!もしや,忘れられない人だったりしてね。」
「忘れられない人…?」
あ…なんか地味に心臓イタイかも。
「って私の推測だからそんな落ち込むな!でも…なんか何もなかったとは言いがたいわよね。」
「そ…だよね。」
やっぱり二人の笑顔は眩しくて
私の胸の痛みはズキズキと増すばかり。
二人の間に何があったのか
そればかりが気になっちゃう。