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校舎を一歩出ると、オレンジ色の暖かく眩しい光が少年を包んだ。


梅雨の時期であったけれど、鮮やかな色だった。


校舎の暗さと外の明るさとの違いはあまりに大きかった。


夕日に照らされた大きな時計は午後5時37分を指したばかりだった。


少年はその先にある真っ赤な太陽を見た。


だが少年の瞳は、そこで思いもよらない光景を捉えてしまったのである。


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