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最期に見たのは、真っ青な空を赤黒い何かが侵食していく光景だった。
まだ乾いていないスカイブルーの絵具の上に、いろいろな色を混ぜすぎてしまったどす黒い絵具を落としたような、そんな光景。暗くて濃くて黒い色は、綺麗な色をどんどんと自分と同じ色に染めていってしまう。
十人十色とはよく言ったものだ。自分だけの色というものを、必ずしもみんなが保てるわけではない。
世の中というものは、私たちが想像しているよりも理不尽で、そして残酷だから。