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「もちろん」


という短い一言だけで返事をし、


「一つだけいいこと教えてやるよ」


リックは彼女との距離を少し開けた。


そして、現実離れしたことを口にする。





「俺は時間を戻すことができるんだ」





信じるか信じないかは彼女次第だ。


というより、おそらく後者だろう。


しかしリックには関係のないことだった。


彼女に信じてもらえなくたって、リック自身がその事実を理解していればいいだけのこと。


彼女と自分の意志を反映して時間のコントロールさえできれば、彼はそれでいいのだ。


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