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私……生きてる。
“あのとき”私は、確かにミオに屋上から突き落とされた。
宙を舞っていた。
空から見た大きな世界を私は記憶している。
だけど私は今、生きている。
手を動かしても、ちゃんとその感覚はある。
私の手。
私は死んでいないということ……?
だけど怪我なんてどこにもないし、痛いと感じるところもない。
“あのとき”は確かに全身に激しい痛みがあった。でも怪我をしているならば病院にいるはずなのだ。何たって屋上から落下したのだから。
だけど。
怪我もない。病院にもいない。ましてやここは、私の部屋。これが現実ならば、さっきまでの“あの出来事”は全部夢だということになる。
お母さんが開けた窓から差す光はカーテンを貫いて、部屋全体を明るく照らしている。いつも通りの光景。だとすると、やっぱり“あれ”はただの夢……?