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「お前、もしかしてまだ迷ってる?」
もう少し歩けば学校というところでリックが尋ねてきた。
同じような質問はもう何度も聞いた。
初めはそこで頷いていたけれど、今は違う。
だから、言ってやった。
「ばか。甘い考えは捨てろって言ったのはリックでしょ」
不安がないわけではない。
100%成功する見込みもない。
だけど彼の言う通り躊躇っていれば、それだけ失敗する確率の方が上回る。
どうせ私は死ぬんだから。
そう考えて無鉄砲になると、今までの重くのしかかっていた何かが減ったような気がして気が楽になった。
「大丈夫だよ」
いつものリックらしくない表情を浮かべる彼に、私は言った。
「これで最後にする。ちゃんと6月25日まで生きて、この世界で終わらせるから」