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第15話 6月23日"本当は"
寂しかった。
ミオとの距離が開いてしまったからではない。
誰もが私に無関心だった。
つらかった。
周囲の楽しそうな声が耳に入ってくるたびに、胸が締めつけられるような感覚だった。
苦しかった。
先生に相談したって力になってくれなかった。
怖かった。
いつ死ぬのだろう、といつも震えていた。
だんだんと迫ってくる見えない命日に怯えていた。
だけど……。
「だって私、どうせ死ぬんだもん」
本音なんて言えない。
「ただミオを殺してフィニッシュしたって、きっと私の未練は断ち切れない気がするから」
私の本音なんて、リックには言えない。
そういう私の感情に、彼は関係していないから。
彼に話したところで楽になれるわけでもないし、解決するわけでもない。
だから私は、こうして別の言葉でどうにかその場を凌ぐしかなかったのだ。
すると。