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……おかしかったのは、やっぱり私だったのかもしれない。


ミオを殺す。


それが目的でこうして過ごしているのに、今の私は周囲のものを全てなくそうとしている。


リックの言う“鬱憤”の中に関係しているのがミオだけというわけではないけれど、当初の目的の中にその人たちは含まれていなかったはず。


寂しくて、苦しくて、つらくて、怖かった。


そんな感情が一つにまとまって“怒り”となった。


周りの様々なものが原因として構成された“それ”を何でもいいからとにかく何かにぶつけたかった。


そこで辿り着いた答えが、学校をめちゃめちゃにすることだった。


私が誰かを殺せばそこに“色”が映える。


それが全校生徒にまで広がれば、灰色が覗き込むスペースはなくなる。


その“色”が、きっと私を解放してくれる。


そう考えた。


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