Delete



「よおシイナ」


窓の外から少年の声が私を呼ぶ。


雨のせいで窓を開けて顔を出すことはできなかったけれど、窓越しにその姿を見ることはできた。


傘の下でニッと笑みを浮かべている少年。


もちろんそれはリックだった。


「はやくしろ。遅刻するぞー」


「わかってる」


私は急いで階段を駆け下りて
傘をさしながら玄関を飛び出した。


< 202 / 331 >

この作品をシェア

pagetop