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左手に持っていたキャンパスノートは、一瞬にして赤くて黒い斑点模様でいっぱいになった。


右手は先生の腹部でカッターナイフをしっかりと握っており、その先端は折れることなくまっすぐめり込んでいる。


シャープペンシルは、ただのカモフラージュ。


制服の袖に本命のカッターナイフを隠し、シャープペンシルを持つ。


この人には生徒である私の姿なんて映っていないのだから、気づくはずもない。


場所的には、胃のあたりだろうか。


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