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何かが潰れたような音がした。


私が“あのとき”耳にしたものと同じ音。


私はそこから先生を見下ろした。


その先には、真っ赤な液体に包まれた先生の姿があった。


先生が今目を開けているとするならば、私にはその目に映る光景がどんなものかがわかる。


私も同じだったから。


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