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私はカッターとハサミだけを取り出し、ペンケースはバッグにしまった。


そしてスクールバッグとリュックを背負い、取り出したその2つはそれぞれの手に制服の袖でうまく隠れるように握った。


ミオだけに責任を押し付けるのはやっぱりよくない。


“あのとき”私を突き落としたのはミオだったけど、その後ろであの2人は一緒になって笑っていた。


直接私を殺したわけではないけれど、だからといってこの2人に罪がないわけではない。


あの光景。


つらくて苦しいものだけれど、忘れることはできないし忘れてはいけない。


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