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テラス型になっている廊下の手摺にもたれかかって楽しそうに話している2人。
その背後を通れば2人の背中はがら空きだった。
私は両手に隠し持っていたカッターとハサミにぎゅっと力を込めた。
そして、その2人のちょうど後ろに立つ。
2人は会話に夢中で私の存在にすら気づいていないようだった。
これは普段いかに私が孤立しているかを示していたのだが、今のこの状況ではそれはものすごくありがたいことだった。
私はそれらを持っていた腕を彼女たちの頭の上まで上げ、そのままそれぞれの背中へと振り下ろした。