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ドスッという鈍い音。
それは何度も何度も響いた。
それらとともに、握っていた鋭利なモノの先端が2人の制服と背中の皮膚を貫く感覚があった。
じわりと滲む、真っ赤で妙な温かさ。
このぬくもりが、別のものに働いていればよかったのに。
だけどそれがミオという人間と共にいることを選んだのだから仕方がない。
この2人がミオに与えた温かさは、ミオによって全て台無しにされた。
ミオの冷たさは考えられないほどのものだったのだ。
でもそれは、私に対してだけの冷たさ。
私はそれを知っていた。