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「いいこと教えてあげる」


私が狙って何度も刺したのは心臓のあたり。


カッターやハサミのリーチの短さは心配だったが、繰り返し刺すことで2人の大勢が崩れかかっているのを見ると、心臓には届かなくてもなんとかうまくいったようだ。


「ミオはあなたたちのことなんてきっと何も考えてないよ。たぶん、眼中にすら入ってないだろうね」


それを何でもない事のように伝えられる私はどうかしていると自分でも思う。


だけど。


どうせ最期だし。


「もう時期ミオもそっちに逝くよ」


ミオに不満があるならその後で話し合えばいい。





ミオは私が殺すんだから。





2人は完全に倒れた。


もう言葉が届かないことはわかっていた。


あえて言ったのは、自分に言い聞かせるためでもあったのだ。


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