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第19話 6月25日"いつも通り"
「いつも通りだな」
翌朝。
この日も、梅雨の時期にしてはよく晴れていた。
そう言っていつものごとく迎えに来るのは、無論リックである。
実は昨日、家に着くとリックはすぐにいなくなってしまった。
だけど私は彼が薄情だとは思っていない。
むしろそれで正解だったのだ。
リックがそばにいてくれると嬉しいのは確かだが、昨日の場合はきっとそれではいけない気がした。
たぶん、もっと落ち着かなくてその後も泣き続けていたと思う。
リックが深く考えていたのかはわからないが、彼がその場を去って私が1人になることで、結果的に私はいつもの調子を取り戻すことができた。