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「……なにそれ」


冷静だったミオに、焦りや動揺が現れ始める。


「意味わかんない。あたしは一言も死にたいなんて言ってないけど。……ていうか、むしろ死ぬのはそっちでしょ」


「私も死ぬよ」


私は普段通りの口調で、一歩ずつ、そしてゆっくりとミオとの距離を縮めていく。


「待って……!ホント意味わかんないんだけど。何がしたいわけ?」


ミオは必死で私を止めようとするけれど、私は歩みをやめなかった。


ここでやめてしまえば全てが台無しになる。


やっとここまで来たのだ。


やっと終わりが見えたのだ。


それを一瞬の判断でぶち壊すわけにはいかない。


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