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「いなくなればいいのに」
いつだったか、あたしはこんなことを言ったことがある。
「シイナって子のこと?」片方の子が聞き返した。
……ああそうか。
そういえばこの子たちはシイナのことをまだよく知らないんだっけ。
あたしでも忘れてしまいそうなほど影が薄いし、実際にこのメンバーにシイナが加わったこともない。
あたしがする話の中に、シイナはときたま出てくるだけだった。
「そう」あたしは頷く。
「あたしもう疲れた。なんであたしがこんなに苦労しなきゃなんないの」
ほんと意味わかんない。
あたしがそう呟くとその子は言った。
「別に無理して関わらなくてもいいんじゃないの?」
「疲れたなら距離置けばいいじゃん」もう一方の子も言った。
本当なら、「うん、そうだね」という具合の返事でここで終わっておけばよかったのだ。
でも、そのときのあたしは違った。
「そんなんじゃダメなんだよ。たぶんあたしのイライラは収まんないと思う」
「その子と付き合うの、そんなに大変なんだね」
「でもまあ、ミオはお人好しだからねー」
「えーなにそれ。お人好しとかただのバカじゃん。嫌だよ、あたしそんなの」
あたしがそう言うと、
「で、結局どうしたいの?」なんて、急に真面目に話しだす彼女たち。
「もう一応決めてあるんだけど――――」
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そうして、今に至る。