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「ねえシイナ」
思考の中から後ろの二人を消し、あたしはシイナに言った。
「あたしね、ひとつだけ疑問に思ってたことがあるんだ。なんだかわかる?」
じりじりと、一歩ずつシイナに近づく。
彼女は常にあたしと一定の距離を保っていた。
つまり、彼女は後ずさりしているということである。
あたしは今、どんな顔をしているのだろう。
もう自分さえもわからない。
でもきっと、笑ってるんじゃないかな。
鏡を見れば自分でも恐ろしくなってしまうような、そんな笑みだと思う。