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だんだんとシイナの姿が小さくなっていく。
あたしはそれを、何かを思うわけでもなく、ただただ平然とその屋上から見下ろしていた。
もちろん、罪悪感なんていうものはない。
「バイバイ」
さよなら、あたしの友達。あたしの親友。
あんたといると疲れてばっかだったけどさ、この二人と過ごすよりは、まあ……ほんの少しだけ、楽しかったよ。
でもやっぱり、いなくなっちゃえって気持ちの方がだいぶ強かったけどね。
何かが潰れたような音がした。
ドス黒い液体にまみれたシイナに、誰かが駆け寄ってきたのが見えた。
赤みを帯びた色の髪をした男の子。
あたしはそれも、見届けていた。
……残念。
もう少し早く来ていれば、助けられたのかもしれないのにね。