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6月25日。


あたしは人を殺した。


さっきも言ったけど、罪悪感なんてない。


悪いことをしたなんていう気持ちは、ゼロだ。


その代わりと言えば変かもしれないけれど、あたしには確実にわかったことがある。





人を消したあたしは人に消される、ということだ。





しかもその“人”というのは、なんとまあ皮肉なことに“シイナ”だ。


つまりはこういうことだ。





あたしはシイナを消した。だからあたしは、シイナに消される。





そう。


あたしはこれからの時間、もしくはパラレルワールドが存在すればその世界の中で、“シイナ”に殺されるのである。


――殺ってみなよ。あたし、待ってるから。


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