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普段から光が当たらないため常に暗く、かつ人通りのない狭い路地を、あたしはいつも通っている。
理由は簡単。
そこを通れば近道になるからだ。
少し大きめの道に出るというところで、あたしは“それ”を見た。
それ――かつての親友、シイナである。
わからない。
わからないけれど、なぜ寒気がした。
それも、今の今までに感じたことのない、とてつもない寒気。
シイナを見ただけで、どうして……。
いつもなら安い“仮面”を被って「シイナおはよう」と言うことができるのだけれど、どうしてか今日はそれができなかった。