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その夜のことだった。


真夜中の1時34分。


あたしはなかなか寝付けないでいた。


リビングにあるパソコンに向き合ってネットサーフィンに没頭していると、


「ミオ、夜更かしは身体に毒よ。私ももう寝るからミオも早く寝なさい」


お母さんが言った。


「うん……わかってはいるんだけど、なんか寝られないんだよねー」


「あなた最近変じゃない?お願いだから倒れるようなことがないようにしてね」


「わかってるーおやすみー」


あたしが変?


笑わせないで。


そんなの、言われなくてもあたしが一番よくわかってるに決まってんじゃん。


どっから湧いて出たのか知らないけど“近いうちに死ぬ”なんていう根拠のない感覚があるわ、シイナから妙な違和感や寒気が襲ってくるわで、あたしだって何がなんだかよくわかんないんだから。


そりゃ混乱して変になってたって不思議じゃないでしょ。


あーもうヤダヤダ。


ネットやってたって逆に目が冴えていく一方だし。


布団に潜り込んどけばそのうち寝られるだろうし、ていうかそっちの方が賢明じゃん。


あたしは明々とついているパソコンの電源を落とし、部屋に向かった。





布団に入って小一時間経っても寝付けなかったのだけれど、その原因はただ梅雨のせいで蒸し暑いだけではなかった。



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