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それはつまり……。


「あたしに、死ねってこと?」


それとも。


「あたしを殺そうっての?」


真っ暗な世界の中で聞こえた声の主に尋ねる。


普段から何を考えているのかさっぱりわからないようなあんたが、そんなこと考えたなんて意外。


意外すぎて笑える。


まあでも、そう思うのも無理ないよね。


あたし、全部わかっちゃったんだ。


あれは……あれは“夢”なんかじゃないって。


あれはあたしの記憶なんだって。


復讐、したいんだよね?


シイナを殺ったのはあたしだもん。


これ、時間が戻ったってことでしょ?


だからあたしは何十日もずっと晴れていた記憶しかないし、あんたを見たときも変な寒気や違和感があったんだ。


たぶんその寒気や違和感は、


殺したはずのどうしてあんたが生きてるの?


っていう意味だったんだと思う。


誰が時間を戻してあんたを生き返らせたのかは知らないけど、そこまで執着してたとは予想外だったよ。


まあ、付き合ってあげなくもないよ。


最終的にあたしはシイナに殺されるから。


どんな殺され方なのか、ちょっとは気になるじゃん?


シイナのことだからテレビで見るような定番の殺り方なんだろうけど。


ぶっちゃけ、あのオトモダチ二人との生活よりは楽しめそうだしね。


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