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「…ううん。やっぱりなんでもない……」
笑って首を横に振るシイナ。
嘘。
あたしにはお見通しだ。
なんでもない訳がない。
「えーどうしたの?悩み事なら相談に――」
あたしがそこまで言ったところで、
「なんでもないって言ったでしょ!!」
そう吐き捨てて、シイナは教室を出て行った。
学校に来たばかりなのに。
あの様子だと、クロだ。
早くもあたしに何かを仕掛けようとしていたと考えられる。
この状況を考慮すれば、失敗といったところだろう。
その程度?
消えてしまえっていうあの言葉は一体何だったの?
そんなんじゃ、またあたしに殺されるよ?