Delete



「…ううん。やっぱりなんでもない……」


笑って首を横に振るシイナ。


嘘。


あたしにはお見通しだ。


なんでもない訳がない。


「えーどうしたの?悩み事なら相談に――」


あたしがそこまで言ったところで、


「なんでもないって言ったでしょ!!」


そう吐き捨てて、シイナは教室を出て行った。


学校に来たばかりなのに。


あの様子だと、クロだ。


早くもあたしに何かを仕掛けようとしていたと考えられる。


この状況を考慮すれば、失敗といったところだろう。


その程度?


消えてしまえっていうあの言葉は一体何だったの?


そんなんじゃ、またあたしに殺されるよ?


< 295 / 331 >

この作品をシェア

pagetop