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「……なにそれ」
それはあまりにも的外れで、そんでもって予想すらしていない言葉だった。
「あたしは一言も死にたいなんて言ってないけど」
それでもあたしは、なんとか自分を保つ。
「……ていうか、むしろ死ぬのはそっちでしょ」
後ずさるあたし。
「私も死ぬよ」
言いながら、あたしが下がった分だけ詰めてくるシイナ。
背中にブロック塀の冷たさを感じたところで、あたしに逃げ場はないのだと実感する。
そしてシイナはというと、あたしへと向かってくる足を止めることを知らないようだった。
「待って……!意味わかんない。何がしたいわけ?」
あたしってば、何を聞いてんの。
どうしてこんなにも焦ってんの。
…わかってた。