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頭から足のつま先まで、シイナの匂いに包まれた。


「突然殺される側の気持ちなんて、ミオは知らないでしょ?」


心臓の辺りに痛みはあった。


だけど、シイナの暖かさへの驚きには勝てなかったようだ。


…シイナ。


朦朧とする意識の中で、あたしは彼女に声をかける。


あんたって、意外と体温高めだったんだね。それってさ、もしかして心が冷たいってやつ?


それとも――。





あたしの身体が冷たいだけ?


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