恋日和〜春〜
「はぁ……分かりました」
音の元へ戻ると不思議そうに俺を見。
先輩と冬結が体育館の中からこちらを見る。
「ごめん待たせた……で、音はどうしたい? 」
「私……」
訊くとスカートの裾を握り、難しそうな顔をした。
「私、やる」
そう言った音の顔は、にこやかで何かを解決したように思えた。
「……分かった。無理はするなよ? 」
「うん」
「冬結、音のことよろしく。無理はさせるなよ」
さっき音に言ったような言葉を冬結にも言うと、少々呆れ顔で「分かってる」と言われた。
「音和、おいで」
冬結に手招きされ、音が体育館へ戻る。