恋日和〜春〜






電話を切ると、涼と目が合った。
「梶さん、ここで大丈夫」
涼の言葉で外をみると、学園の敷地に入っていた。

「梶さん、ありがとうございました」
「いいえ。音和様、坊ちゃん、お気を付けて」
「はい! ありがとうございます」


梶さんと別れ、歩みを進めようとすると
「音、荷物持つ」
と言ってくれた。
「……ありがとう」
私が持つ荷物に手を掛けたとき……涼の手が私の手に微かに触れた。
途端に早まる鼓動……






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