恋日和〜春〜





「美朝も時希ももう少し大人しくしなさいよ。びっくりしてるじゃない。」
と言いながらこちらに歩いてきたのは
肩より少し伸びた黒髪をハーフアップにしている大人っぽい美人さん。
それから後ろには背の高い男の子。黒髪で時希くんよりも長め。

「…騒がしくてごめんなさいね。私、天堂 冬結(てんどう ふゆ)。学級委員をやってるわ。バスケ部のマネージャーよ。」
「同じく、学級委員の林田 伊月(はやしだ いつき)。部活はバスケ部。」
「よ、よろしくお願いします…」
時希くん、美朝ちゃん、天堂さんに林田くん。
名前と顔を覚えられるかな……

「涼も自己紹介したら?」
涼……?みんなの視線が右隣の席に向けられる。

私も向いてみると
バチッーー目が合った。
合ったのだけれど……反らした。私が。
もう一度視線を向ける。



だって……





ーーーかっこいい……。




彼の顔は私のタイプど真ん中……

凛としたその顔は無表情。けれどどこか暖かい。そんな感じ。
でも、一言で表すなら…………


……クール、かな。黒髪の短いとも長いとも言わないような丁度良い長さの髪。




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