恋日和〜春〜
ーーー彼女は綺麗とも可愛いとも言える分類に入る顔立だろう。幼い頃と何ら変わらない、雪のように白い肌、色素の薄い髪、悪い物は見たことのないような目。
……幼い頃と違うのは、目の前の光景にフィルターをかけているような、そんなところ。
「…高瀬 涼(たかせ りょう)。」
俺はそれだけ言い、読んでいた医学書に目を移した。
「ごめんな。愛想なしで。昔っからこうでさ。ちなみに涼も伊月と同じバスケ部。」
時希が補足をした。
「昔っから…?」
「あぁ。涼は従兄弟なんだ。」
ちょっとずつ時希が知恵を入れていく。
これからどうなるか……
そんなことを考えたHR。
side涼 end