恋日和〜春〜
3話
朝のHRも終わり、今日から授業が始まる。
ーー「あ、あの…」
私は勇気を持って隣の高瀬くんに話しかけた。が、返事はない。
「た、高瀬くん!」
「「何?」」
前に座る時希くんは笑顔で、隣に座る高瀬くんは無表情でこちらを見た。
「あ、ごめんなさい、、隣の高瀬くんに用があって…」
「そう?」
「“そう?”じゃないよ時希。昨日は音和“時希くん”って呼んでたじゃん。」
と美朝ちゃん。
「そうだったな。ごめんな、音和。」
「いえ…こちらこそ、ごめんなさい。」
「で、涼!お前に用だと。」
隣の彼は顔をこちらに向け“何か?”というような表情をしている。