恋日和〜春〜
「そうなんだ!すごいな〜。私なんて料理とか出来ないもん。って言うかどれも美味しそうだし!」
「ありがとう。…食べます?お口に合うか分からないけれど…」
「いいの⁉︎じゃ、卵焼き食べてもいい?」
「どうぞ。」
「いただきまーすっ!」
美朝ちゃんはパクッと一口で食べた。
「わ!ふわふわしててすっごく美味しい!今すぐにでもお嫁に行けるよ!」
“お嫁に行ける”か……。
「…ありがとう。」
恥ずかしいことに私は初恋すらまだだ。
「美朝も料理頑張りなさい?」
その言葉に林田くん、時希くん、美朝ちゃんは笑った。
相変わらず高瀬くんは無表情なんだけど……。
「そうだよ。時希のためにも料理頑張れよ。」
と林田くん。
……“時希のためにも”…?
「付き合ってるのよ。時希と美朝。」
「え!そうだったのね!」
「そそ。もう2年になるよ。」
「そっか…なんか素敵ね?」
「そうかなぁ…」
と少し照れながら話す美朝ちゃんは漫画とかでよく見る“恋する乙女”って感じ。