恋日和〜春〜
「…涼、紅葉通り(もみじどおり)は通ってないよな?」
紅葉通り…?
「通ってませんよ。」
「ならいいけど…。」
「悠くん、紅葉通りって?」
「教室のある校舎から図書室まで、最短で来れる道。だけどそこは“カラス”がたくさんいるんだ。」
「そうなの…?紅葉って付くから通ってみたいなって思ったのだけど…」
「カラスは苦手だろ?避けきれないくらいいるんだ。通らないことをすすめるよ。」
「うん。分かった。」
ーー「コレをやればいいですか?」
「そうそう。涼ならすぐに終わると思うんだ。よろしく。」
二人は会話をしているけど何のことだからサッパリ分からない。
この二人がどういう関係なのかも……
直ぐにパソコンに打ち込む悠くんに声をかけられずにいた…。