花ビラ、ヒラリ

あの時というのは今からちょうど1年前のこと。ことは起こった。高校受験の為に夜中まで勉強していた私の耳に聞こえてきた声は今思っても恐ろしく酷いものだった。
もう子供ではないという自立心と何があったのかという好奇心。ただそれだけが私の全てを狂わした。

っ___________。

全てを知ってしまった。家族が壊れかけていること。大好きでいつも味方にしていた父親には裏切られたような気分だった。同時に母親を傷つけた怒りと変な気持ちが絡み合ってあれから何も知らないふりをして早1年。

今それはどうなったのかは分からない。というか知らなくても良いことは知らない方が身の為だし、自分から知ることはしないようにひっそりと家族の前では振る舞うのが日常茶飯事である。それ以前からだが毎日の会話は
「ねぇ聞いてー。あのね今日こんなことがあったの!」
「何?お母さん。教えてよ!」
こんな無理して明るい母親の前で自分が弱音なんか吐けない。吐けるはずがない。大丈夫。心配はかけたくないから。そうやって私は徐々に自分の寄り添う場所を無くしていたのかもしれない。

唯一助けてくれるのは雨。と星空も私の仲間になった。ただそれだけが私の全てを話せるモノ。そして受け入れてくれるモノ。最初はそれでも良かった。全然良かったんだよ。
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