届かなくても、
廊下は教室より寒く、私は身震いをした。





私が出ていったことには誰も気付いていない。






廊下をほっつき歩いていると琴音ちゃんに遭遇。





ホルンを持って階段を上っていた。






「先輩話し合いじゃないんですか?」






ぎくっ。






そんな私の反応を見てすぐさま納得。






なんと物分かりの良い人だ。






「愚痴の言い合いしてたんですか」





「うん。そんなところ。






改善する気なさそうだから抜けてきた。」





「自由ですね~。部長に怒られますよ。」





「いや、うち怒られないよ」





「すごい自信」






階段で談笑していると顧問の足音がしたので





琴音ちゃんに別れを告げ近くの教室に逃げ込む。





しばらくやり過ごす。





私は教卓の下で様子をうかがっていた。
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