届かなくても、

空白

「答え合わせ…？」






私は首を傾げる。




何のことだろう。




なぞなぞかなんか出されたのだろうか。




私の反応を見た彼は静かに言った。





「きーさんが麗亜のターゲットって言ってたやつ」




「そんなこと言ってたっけ？」




「言いました～。これだからきーさんは…」






ニヤニヤしながらわざとらしく溜息をつかれる。



地味にショックを受けてしまった。





「で？答え合わせって？」



「麗亜はきーさんのこと潰そうとしてた、



ってそういうこと」





「え…目つけられることしたっけ？」





「あいつは俺のこと好きで




俺の好きな人ばらされたくなければ付き合えってさ」





『俺の好きな人』。




その言葉に胸が締め付けられる。




そっか…





蛍も好きな人いるんだ…





「だから、うん、ごめん。





変な気遣いさせてしまったことは謝る」







彼が謝る。





「いや、別にいいよ？気にしてないし」



嘘。



すごく気にしてる。






なんで相談してくれなかったの？




私じゃその話聞いてあげられないの？







特別仲がいいわけでもないのに



そんなこと聞いたら、彼はきっと




私から離れていく。





彼は干渉されるのを嫌うから。




私は言いたいこと全てを胸の内側に押し込んだ。