届かなくても、
「何してくれんだよ!!ふざけんな!!」




「…」







麗亜が彼の胸倉を掴んで一方的に罵っていた。




彼はというと黙ったままであった。




私より身長の高い麗亜は彼より人一倍大きく





明らかな身長差を思わせた。







「あんたのせいでイメージ悪くなったんだよ!!





どうしてくれんのよ!!」






随分おかしなことを言っている。




全て麗亜の身から出た錆ではないか。




八つ当たり出来る所がないから当たってるのか。




彼のイメージまで悪くなってしまう。




野次馬たちは誰も止めようとしない。




だから人は嫌いなんだ。





心の中で呟き、私は前へ歩み寄っていく。





不思議と羞恥心や恐怖心はなかった。




そんなことより憤りを感じた。





「麗亜が悪いんでしょ。




どれもこれも。





人のせいにしてるからイメージ落ちるんだよ。





都会から来たのにそんなことも分かんないの?」







わざと挑発をしてやった。




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