届かなくても、
麗亜はまだ怒りが収まらないのか拳を握った。




そして出血しているとこめがけて腕を伸ばす。





その時だった。





何者かに覆いかぶさられ床に倒された。



私は反射的に目を閉じる。




頭に衝撃は来なかった。





手が頭の下敷きになっている。





私の手じゃない。





ゆっくり目を開けると





凛とした顔をした彼の顔が。





今まで見たこともない顔つきで





胸が大きく跳ねた。
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