届かなくても、

エンドロールの知らせ

「ねぇきぃさぁん」







「何」







「告白、手伝ってくれなぁい？」








「え」











本当に不愉快だ。








ニコニコと笑っているが騙されてはいけない。








こいつは仮面だ。








どんなに楽しそうに笑っていても


腹の奥では誰を陥れようか考えている。








意外と長い付き合いだったが昔から変わらない。








そんな嘘つきを、彼が？本当に？







まぁ、嘘をつくほどのことではないし、





本当のことだと捉えていいのだろう。







「本当に私なのかどうか確かめてくれなぁい？






おねがぁい!!きーさぁん!!」











「…分かった。

聞いてみるね」










大してこんな奴好きじゃない、否、






むしろ大嫌いだが






こういう時に限って優しくなってしまうのが私の性なようだ。






そして、頼まれると断れなくなってしまうのも。






自分に嫌気がさしながらも、








仮面女に負けないくらいの笑顔で笑ってやった。