届かなくても、

後少しだけど

私達に時間はもうなかった。


付き合って、早一か月。


卒業式と一緒に学校に来なくなった先輩方。


早3日。


授業日数もあと、1日しかない。


明日は三月。


ついに終了式だ。



私と彼は大して今までと変わらなかったけど


朝練はいつもより早く行くのは暗黙の了解になり


帰宅の時は車で帰っていたけど


私達は二人で帰った。



たった、それだけ。


でもそれだけでも生活は


結構変わったように思える。



それだけ私の生活っていうのはひどいもので


一日がどれだけ充実していなかったのか思い知らされた。



今まではクラスが一緒だったし


それなりに接点があった気がするけど


もうすぐしたら、彼のいない生活が始まる。



それは、当たり前のようで


全く当たり前じゃないもの。



本を借りる相手がいなくなる。


手を繋ぐ相手がいなくなる。


何でも許してくれる人が減る。



彼の存在は私にとって少しずつ


必要不可欠な物へと変わっている。


それを一瞬で壊される日が来るのも知っている。
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