届かなくても、
「きーさん当選だって。」



彼が言った。


なんで知ってるの?と聞くより先に



「選挙管理委員会が言ってたから。


あ、これ公式じゃないからまだ他の人に言わないでよ?」


「本当?マジで嬉しい!!」



「良かったじゃん、演説。」




彼から照れながらに言葉を貰い


私は舞い上がる。


心はまさに龍の舞。


嬉しくなってガッツポーズをとる。



彼はそんな私を見て微笑んだ。



「頑張ったから、



今度欲しいもの買ってあげるよ」



「え…悪いよ、そんな」



「ご褒美。


今しか選択肢ないから。


値段高くて構わないから、ね?」




とそこを通りかかった姫が




「あ、きーさん時計欲しいって言ってたよ?」




ひ、姫、貴様…


なんか、最近の姫の神出鬼没率高い気がする…




「時計?いいよ、買ってあげる。


今度買いにいこ。」



さりげなくデートの約束したような気になってるのって



私だけ?
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