届かなくても、

逢瀬

ようやく一週間後。


外に出ると冷たい空気が頬を撫でる。


今日こそが彼とのデートの日。



もしかしたら、



『最初』で『最後』のデートの日。



そんな日が今日だなんて



信じがたい事だけどね。



彼は前と同じく髪の毛が直されていて



やっぱりそっちの方がかっこいい。



終業式の時にクラスで彼のお別れ会をした。



皆は泣いていたけど、私は泣かなかった。



だって、これで会えなくなるわけじゃないから。



もしかしたら、会えるかもしれない。




そんな期待があったから、私は泣かなかった。



私は強くなったんだもの。




「いこっか。」



「うん。」




手を繋いで私達は歩いて行った。

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