届かなくても、
安堵の溜息
翌日、仮面にその事実を伝えると
「えぇー、まじぃ?」
といい、本人の所に直接確認にいったそうだ。
無論、彼は事実を告げたらしい。
実は自分でその事実を告げるか、
私が仮面に言うか選択肢は与えたのだが
「面倒くさいから、そういうの」
という理由で私が告げることになった。
彼らしいと言えば彼らしいが、
もう少し周りに興味を持てばいいのに、
とは思っていたりもする。
彼はやはり掴めない。
私から見た彼はふわふわと浮いた状態だ。
手を伸ばしても掴めさせない。
そんな彼をそういう目で見てしまった以上、
もうどうすることも出来ないのだけれど。