届かなくても、
「…もしかしたら、目を覚まさないかもしれない。」
目からぽろぽろと涙が零れる。
梶山くんも夢叶も、既にいなくなっていた。
白いキュロットを涙が濡らす。
なんで、こうなったんだろう。
聞きたくなかった。
蛍が帰ってくることも
姫が生死を彷徨ってることも。
修也が人間関係を築くのが下手なのは知ってる。
でも、ここまですることないじゃん…
「でも俺は寂しくない。
姫はいるじゃん。
俺がここにいようがいまいが、忘れられようが
姫はしっかりここに存在してる。」
修也はそう言って、私の頭を指さす。
「俺には姫の考えてることなんか分かんない。
でも姫だって、俺が何を考えているか分からない。
伝えなくちゃ、なーんにも始まらないよ。
俺は後悔してる。
姫に言いたいこと一杯あった。
でも、今は伝えられない。
姫が起きるまで、心にしか仕舞えない。
でもきーさんは違う。
きーさんは、伝えなくちゃ。
きーさんが顔を忘れても、
きーさんと蛍はちゃんと繋がってる。
繋がる物がある。」
「…音楽。」
「そう、音楽がきーさんと蛍を繋いだ。
現にきーさんも蛍も吹奏楽科に入ってる。
きーさんは創作の授業をとって、
蛍は演奏の授業をとる。」
「演奏の?」
「そう。きーさんは前、作曲家が夢だって言ってた。
蛍は、きーさんの作った曲を吹きたい。
そんな理由でわざわざこっちの大学に入った。
ねぇ、ここまで言っても分からない?
蛍が、何を思ってるか。」
目からぽろぽろと涙が零れる。
梶山くんも夢叶も、既にいなくなっていた。
白いキュロットを涙が濡らす。
なんで、こうなったんだろう。
聞きたくなかった。
蛍が帰ってくることも
姫が生死を彷徨ってることも。
修也が人間関係を築くのが下手なのは知ってる。
でも、ここまですることないじゃん…
「でも俺は寂しくない。
姫はいるじゃん。
俺がここにいようがいまいが、忘れられようが
姫はしっかりここに存在してる。」
修也はそう言って、私の頭を指さす。
「俺には姫の考えてることなんか分かんない。
でも姫だって、俺が何を考えているか分からない。
伝えなくちゃ、なーんにも始まらないよ。
俺は後悔してる。
姫に言いたいこと一杯あった。
でも、今は伝えられない。
姫が起きるまで、心にしか仕舞えない。
でもきーさんは違う。
きーさんは、伝えなくちゃ。
きーさんが顔を忘れても、
きーさんと蛍はちゃんと繋がってる。
繋がる物がある。」
「…音楽。」
「そう、音楽がきーさんと蛍を繋いだ。
現にきーさんも蛍も吹奏楽科に入ってる。
きーさんは創作の授業をとって、
蛍は演奏の授業をとる。」
「演奏の?」
「そう。きーさんは前、作曲家が夢だって言ってた。
蛍は、きーさんの作った曲を吹きたい。
そんな理由でわざわざこっちの大学に入った。
ねぇ、ここまで言っても分からない?
蛍が、何を思ってるか。」