届かなくても、
お気に入りのiPodをポケットに突っ込み





靴紐イヤホンを耳にさすと







落ち着いた気持ちが取り戻せた。







クリアに伝わってくるドラムなどの楽器音が







耳に直接響く。






昼間になると車が多くなる大通りに出ると、






大きな飲食店がずらっと道に並ぶ。






そこをまっすぐに進む。






そしていつの間にかさびれたところに行きつき






そこを左に曲がったところが学校だ。







来ているのは姫と修也。






腕時計を見ると時間は13:00。





ぴったりだ。






二人は私達に気づき、手を振った。







私も手を振り返す。







「蛍は?」





「まだ来てない。」





「遅刻?」






「じゃないよ」







声がした。






3人一斉に振り返ると蛍がいた。






びっくりした。






寝癖がしっかりと直され






いつもとは見違えるほどの





姿だった。








いつもそれでいればいいのに…







私達3人が同じことを思い溜息をつくと






彼は不思議そうに首を傾げた。
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